2021.02.24 01:00惜しみなくささげる 四旬節第2主日(マルコ9・2~10) イエスは高い山に登り、ご自身の姿が変わっていきます。「服は真っ白に輝き、この世のどんなさらし職人の腕も及ばぬほどの白さ」だったと言います。人間の理解をはるかに超えた神のなせる業です。同時に、イエス自身が復活を前にして、栄光の姿を事前に示された時でした。 四旬節中は苦しみを強調していきますが、今日の箇所は、私たちにとってただ苦しみだけでは...
2021.02.21 01:00試練からの出発 四旬節第1主日(マルコ1・12~15) イエスはガリラヤで福音を宣べ伝え始めます。最初のことばは「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」(マルコ1・15)と語ります。イエス自身が語り始めた一連の出来事でした。 でも最初から宣教活動に入ったわけではありません。それは試練からの始まりでした。霊はイエスを「荒れ野」に追いやります。そこは不毛地帯で何もないような状況...
2021.02.03 01:00朝早くまた暗いうちに… 年間第5主日(マルコ1・29~38) 二月に入ると日に日に、一日の日照時間が長くなっていきます。それでもまだ今の時期は朝が暗くて、寒い日には起きるのがとてもつらく感じたりします。 6年前、黙想指導のために大分トラピストへ行ったことがあります。十数名の司祭・修道士たちが共同生活をしています。大分とはいえ高台にあり、二月下旬ということもあって周囲にはかなりの雪が残っていました。...
2021.01.27 01:00権威ある者 年間第4主日(マルコ1・21~28) 種々の修道会には、「会則」「会憲」の他に、細かい内容を記載した「手引書」のようなものがあったりします。私が所属する聖パウロ修道会にも、「会憲・指導書」の他に、「聖パウロ修道会における権威の奉仕―手引書―」というのがあり、修道院会議での選挙方法や総本部へ提出する書類の書式など、細かい内容を記した手引書(マニュアル)で、「会憲・指導書」の倍...
2021.01.20 07:00不思議な召命 年間第3主日(マルコ1・14~20) 先週の福音は、「来なさい。そうすれば分かる」(ヨハ1・39)という内容で、今日は「わたしについて来なさい。人を漁る漁師にしよう」(マルコ1・17)と、召命に関する内容が朗読されました。今日の箇所では、最初にペトロとアンデレ、その後、ヤコブとヨハネがイエスに従っていきました。どちらとも兄弟で、二家族がいっしょに導かれたことになります。 彼...
2021.01.15 07:00二人の「アルド」 年間第2主日(ヨハネ1・35~42) 教皇フランシスコは2014年11月30日から2016年2月2日までを「奉献生活の年」と定めました。2014年2月2日の「お告げの祈り」の中で、「奉献生活者の存在はきわめて必要とされています。彼らは、福音宣教、キリスト教的教育、貧しい人々への愛のわざ、観想的な祈りへの献身を、若者と家族の人間教育と霊的教育への献身を、人類家族における正義と...
2021.01.08 01:00洗礼の恵み 主の洗礼(マルコ1・7~11) イエスが洗礼者ヨハネから洗礼を受ける場面を思いながら、自分が洗礼を受けた時のことや、洗礼を授けた時のことを思い出すのもよいでしょう。 2004年の年末、一人のシスターから芸能プロダクションのプロデューサーをしている相馬一比古(かずひこ)さんに臨終洗礼をお願いされました。相馬さんは芸能界の仕事に長年携わり、無我夢中に働いてきましたが、喉頭...
2021.01.02 01:00星の導き 主の公現(マタイ2・1~12) 今日のみことばで「彼らがかつて昇るのを見たあの星が、彼らの先に立って進み、幼子のいる場所まで来て止まった。彼らはその星を見て、非常に喜んだ」(マタ2・9~10)と記されています。東方の博士たちを導いていく星には不思議な魅力があります。 1994年4月から半年間、ローマでイタリア語の勉強を開始した時のことです。7月下旬頃、暑さと勉強で疲れ...