2020.06.26 00:39いささか軽率な「初心者」――日本と韓国の聖パウロ修道会最初の宣教師たち(2) この「軽率な初心者」とは、私のことである。私はまだ少しだけ残っていた家族からの反対を克服して、一九二四年七月三十一日、アルバの教区神学校から聖パウロ修道会に入会した。一九二六年一月二十四日に着衣式、翌一九二七年三月十二日に終生誓顧を宣立。そして一九三二年十二月十七日に、アルバの聖パウロ修道会の聖堂において、トリノのフランチェスコ・ボッテ...
2020.06.25 03:22『教皇フランシスコに聞く 召命の力――今日の奉献生活』 ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ司教は、182年ぶりに教皇に選ばれた修道者です。 ですので、教皇フランシスコが奉献生活について話されるとき、ご自身の修道者としての体験が土台になっています。彼は、若い修道者の養成担当者でもあり、管区長として兄弟たちへの奉仕も果たされてきました。そして、司教になられて、また、別の観点から奉献生活を見ることができま...
2020.06.24 08:31母院での自給自足――福者ジャッカルド神父の生涯(28) 司祭叙階を延期されていた復員神学生たちのうち3名(トロッソ師、フェノリオ師、ギオーネ師)が、1922年6月29日に、ようやく司祭に叙階された。これで、聖パウロ会には創立者以外に四名の司祭がいることになった。また、その3年後には約5百名の若者を抱えるようになり、その基礎固めはいよいよ強固なものとなった。 しかし、時代は第一次世界大戦後の不...
2020.06.18 00:37未来の宣教師のフラッシュバック――日本と韓国の聖パウロ修道会最初の宣教師たち(1) 極東に出発する前の十年間について、ごく簡単に触れておきたい。 パウロ・マルチェリーノ神父は一九二四年に副助祭および助祭に叙階されたが、その時にはすでに印刷工場で工場長の全権を与えられていた。この工場では約百種類の月刊教区報、「ヴィータ・パストラーレ」、「出版使徒職の協力者会」をはじめとして、多数の書籍、要理書、福音書、ウーゴ・ミオニの小...
2020.06.17 08:29建築費の捻出――福者ジャッカルド神父の生涯(27) 次は、膨大な建築費の問題である。 これに対処するため、アルベリオーネ神父は五十年先を見越して、聖パウロ会の年配者数名を集め、次のような責任を彼らに分担して与えた。 1,信仰と祈り。 2,各人が所定の部署で本会に対して最大限に貢献するために寛大さと勤勉さを示すこと。 3,各人は率先して建築費の捻出に努めること。 この時、ティモテオ神父に負...
2020.06.12 00:32日本と韓国の聖パウロ修道会最初の宣教師たち(ロレンツォ・バッティスタ・ベルテロ神父の証言) 「永遠の扉に触れることを願う一人の老いたる宣教師が、キリストに『扉を開くこと』に憧れる若者たちにこの思い出をささげる」 「何と美しいことか、山々を越えて、善い知らせをもたらす者の足は。平和を告げ、幸いな善い知らせをもたらし、救いを告げ、「あなたの神が君臨する」とシオンに言う者の足は。声がする。あなたの見張りの者たちが声をあげ、ともに喜び...
2020.06.09 00:30「夢を追いかけてーー神のみ旨のままに」 牧山康二修道士 「自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。……空の鳥をよく見なさい。種も蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。」(マタイ6・25) 私はこの聖書の箇所を読んだ時に、それまでと違ったメッセージを神さまから受け取ったように思いました。それは、人間というのは、神さまが創られた動物の中で、...
2020.06.08 07:43疑惑と非難――福者ジャッカルド神父の生涯(26) 聖パウロ会の事業に対して、疑惑と警戒の目で見る人も少なくなかった。1912年になるとすぐに、購入したばかりの土地に長さ32メートル、幅13メートルの5階建ての建物を建てはじめてからである。アルバでは今まで見たこともない巨大な建物である。 「あんな大きな建物には経営陣も、教師たちも、技術陣も必要なのに……。あの若い司祭は、みすぼらしい若者...
2020.06.03 00:29日本と韓国の聖パウロ修道会最初の宣教師たち(まえがき) ロレンツォ・バッティスタ・ベルテロは一九〇六年八月五日、ドメニコとアッバ・テレサを父母としてイタリアで生まれ、翌八月六日、ヴァッレ・サン・ロレンツォの教会においてジュゼッペ・カヴァッロ神父から洗礼を受けた。一九一二年からヴァッレの小学校に通い、女性教師マリアンナ・フォリアトから初等教育を受けた。一九一九年、バッティスタはラッコニージの「...
2020.06.02 07:42基礎固めの年――福者ジャッカルド神父の生涯(25) アルベリオーネ神父は、1920年の1月に、この年を「基礎固めの年」と決めたが、これ以前から、以外にもイタリア全土より染みが続々と入会し、この年には約80人ほどになっていた。今までの修道院と印刷学校の規模では、とても収容しきれない段階にきていた。しかし、そうはいっても持ち合わせの金がない、それでもアルベリオーネ神父はくじけない。「信仰を待...
2020.06.01 01:00『ポネット』:ブラザーが選ぶ! おすすめ映画 愛くるしい瞳で観客をくぎ付けにした『ポネット』が23年の歳月を得て、4Kレストアの高精細デジタルリマスター版として劇場に帰ってくる。