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建築費の捻出――福者ジャッカルド神父の生涯(27)

 次は、膨大な建築費の問題である。

 これに対処するため、アルベリオーネ神父は五十年先を見越して、聖パウロ会の年配者数名を集め、次のような責任を彼らに分担して与えた。

 1,信仰と祈り。

 2,各人が所定の部署で本会に対して最大限に貢献するために寛大さと勤勉さを示すこと。

 3,各人は率先して建築費の捻出に努めること。

 この時、ティモテオ神父に負わされた任務は、事業拡張の貸付金を出してくれる人や寄付金提供者を見つけることであった。

 本人も経理に弱いと自覚していたが、しかし信仰と感謝の念から、この任務を引受たのである。それで神も、その従順に対して多くのお恵みを与えてくださったのである。

 すなわち、大勢の人たちが「神の人」の言うことであれば、とティモテオ神父を信用して、なけなしのお金を聖パウロ会に貸してくれるようになった。利子は最低限であり、利子なしで貸してくれる人たちもいた。

 こうして大金が集まり、短期間で巨額の費用を支払い終えたのである。

 いつしかティモテオ神父も、戦果を上げた戦場の軍人と同じ知らぬ間に英雄視され、聖パウロ会の会計係に任命されていた。


  • 池田敏雄『マスコミの使徒 福者ジャッカルド神父』1993年
  • 現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。



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