2020.01.27 03:32『聖母マリアのカンティーガ 中世イベリアの信仰と芸術』 13世紀にイベリア半島の中ほどにあったカスティーリャ・レオン王国の王アルフォンソ10世は、聖母マリアをたたえる詩歌を集成した。『聖母マリアのカンティーガ集』と通称される。それは『聖母マリアの讃歌集』、あるいは『頌歌集』とも言われる。カトリックでは『聖母マリア賛歌集』と記す。本書は、信仰と芸術の遺産とも言える『賛歌集』の中から5つの主題に...
2020.01.27 00:40「福岡での体験報告」 大西德明神学生 召命の道も人それぞれですが、養成の道もまたそれぞれのようです。数年間オーストラリアで神学と哲学を勉強しておりましたが、無事に学位を取得することができましたので、年始に帰国致しました。数ヶ月の東京での滞在の後に、現在は福岡で使徒職と司牧の体験をしております。平日はサンパウロ福岡宣教センターにて使徒職の体験を、そして日曜日は丁度福岡市と那珂...
2020.01.24 07:10着衣――福者ジャッカルド神父の生涯(10) 1912年(明治45年)6月、ピノトゥは神学校のジンナジオ(Ginnagio)課程を卒業し、同年10月、16歳でリチェオという哲学課程に進学した。ここでは日本の高校課程のほか、主に神学の基礎となる哲学を学ぶ。哲学では、このよの事物を前提にして、この事物の根源は何か、と論理的に問い詰め、真・善・美の根源(神)にまで思考の羽を伸ばす。この年...
2020.01.20 00:40「生きている限り」 チャン・ゴー・グエン・ヴー神学生 梅雨が長く続いている。毎日雨が降り、憂鬱に思えてくる。またこの時期は試験と重なり、こちらの神学生たちも疲労が溜まっているようだ。ようやく試験が終わって、それぞれ帰郷する時が来た。私はもちろん若葉修道院に戻る。梅雨と低気圧の二つに関東地方周辺が覆われて、いまだに寒さを感じる。そんな寒さの中、帰りの電車の窓から見える雨模様の景色を眺めるとま...
2020.01.17 07:07休暇――福者ジャッカルド神父の生涯(9) 「休暇は、悪魔にしてみれば刈り入れの時である」と、聖ヨハネ・ボスコはよく言っていた。特に、規律の厳しい神学校の囲いから自由奔放な社会へ外出する若い神学生にとっては、解放感もあって誘惑にかかりやすい。ピノトゥは、これを予知して、休暇で家に帰る前には必ず休暇中の自分の時間割りを作り、これを指導司祭に見せて承認してもらっていた。そこには信心業...
2020.01.10 07:06十三歳で誓願――福者ジャッカルド神父の生涯(8) 1909年(明治42年)、ピノトゥが小神学校2年生、13の時である。ピノトゥは、やむにやまれぬ内心の勧めに従い、聴罪司祭の承諾を得て、六ヵ月の貞潔の私的誓願を立て、翌年もこれを更新した。この背景には家庭内での信心のしつけ、教会や幼稚園や小学校での教育が大きく影響しているが、アルベリオーネ神父の霊的指導に負うところも大きい。アルベリオーネ...