一杯の水 年間第26主日(マルコ9・38~43,45,47~48)
今日のみことばで、「あなた方に一杯の水を飲ませる人は、決してその報いを失うことはない」(マルコ9・41)とイエスは語ります。「一杯の水」の味は、場所、状況によってけっこう違うものです。
三島に日本一の湧水としても有名な柿田川があります。富士山から三島まで約40キロありますが、三島溶岩流の間を通って、長い年月(数か月から数十年)を経て、湧水しているものです。三島を訪れた時、一人の信者さんがその湧水に案内してくれました。「せっかくなので、富士山の湧水とも言われる水を飲んでみてください」ということで、手動式のポンプで汲んでくれました。たまたまそれがあまり使われていなかったのか、さび臭い水になっていて、正直に「さび臭いですね」と言ったら、笑われてしまい、「今度、ちゃんと修理しておくように、三島市の職員の方に言っておきます」というのがとても印象的でした。
三島に限らず、東京でも蛇口から自由に飲めるというのは、日本ならではでしょう。東京の水もけっこうおいしくなって、地下鉄のコマーシャルでも「東京水」という言葉が使われています。でもその水を、お金を払ってまで買おうという気持ちにはなりません。
いろいろな水を飲んでみて、個人差もあるでしょうが、いちばんおいしく感じたのは福島県、新潟県、山形県の県境にある飯豊山(いいでさん)の水です。登山をしながら、たっぷりと汗をかき、とてもリラックスしながら飲んだので、いちばんおいしく感じたのかもしれません。それにして、湧き出てくる水は、自然に濾過され、味が違うなあと感じました。自然の恵みの豊かさでしょう。
私たちの人生において、数多くの苦労があります。そんな時、心地よい自然の水は、私たちの身も心も癒やしてくれます。「一杯の水」の格別さは、何とも言えません。
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