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司祭職二十五周年――福者ジャッカルド神父の生涯(47)

 戦時下の1944年10月19日、ティモテオ神父は司祭叙階の銀祝を迎えた。派手なことはできなくとも、温かい心を込め、パウロ家を挙げてお祝いした。その時にティモテオ神父の述べた感謝の言葉は、霊的遺言にも値する貴重なものである。

 あなた方は孝行心と兄弟愛から、私の司祭叙階25周年を祝ってくださろうとしています。ミサをささげる前に、次のことをあなた方に打ち明けます。「私は憐れみをいただいたからには、忠実な者となれますように」と。神様は計り知れない憐れみを持って私を迎え入れてくださることをひしひしと感じますから、自己奉献しなければならないと思います。私は、司祭になってよかった、と常日ごろ思っています。

 それで、私を愛し、司祭としてくださった神様に感謝いたします。プリモ・マエストロに感謝します。私の司祭職は、プリモ・マエストロの司祭職のあとを影のようにつきまとっています。というのも、私を迎え入れて、財政面からも、援助をしてくださり、司祭職への許可も与えてくださったからです。

 また、あなた方にも感謝します。あなた方の多くは幼いころに私を迎え入れて、そのうちの数人に、そろそろ司祭になってもよいという認可の責任を、プリモ・マエストロと分かち合ってきたのです。また、私がマエストロ(先生)と言われて、司祭としも、父としても尊敬されてきましたことについて、あなた方に感謝すると同時に、私の権限に従順してくださったことについても、私の司祭としての、父としての愛に応えて快く耳を貸してくださったことについても感謝いたします。

 この評価、尊敬、素直さ、従順、孝行、愛によって、私の天職と司祭職にも励みがつき、元気づけられました。また私は、司祭職を通して神に最高のものをささげ、しかも神の憐れみによって司祭職の実りをささげました。神に感謝! また、あなた方にも!

 しばしば「マエストロ」の言うこと、態度や行動が気に入らなかったかもしれません。時として、このような不快な思いをさせられたのは「教化」のためでしたから、その点は神のご慈悲に任せましょう! しかし、時々私の言い方や態度や行動に嫌味があって、あなた方のつまづきになったかもしれません。この点については、まことに申し訳ありません。ひとえにおゆるしをお願いいたします。

 それにしても、後にも先にも次のことをあなた方に言わなくてはならないと思います。すなわち、「マエストロ」は修道院で骨の折れる義務や難しい任務を果たさなければならず、重い責任を負っていました。その理由は、本会が揺籃期を過ごしていたからであり、本会の会憲のためでもあり、神の導きによる進むべき道のせいでもありました。どうぞこの点は含んでおいてください。おそらく、こう考えれば「マエストロ」の態度や言うことや行動につまずくことも少なくなるでしょう。

 最後に、あなた方は私について、こう証言してくれるものと思います。つまり、普通、私は澄んだ目で皆さんを見ますが、ほんの一瞬、目がかすむことがあります。私はあなた方の顔と目を見つめることができると思います。また神様が、次の証言をしてくださるものと信じます。すなわち、私が本会当局のためになることを、本会の最大の利益を誠心誠意常に追求してきたことを、神様は証言してくださいます。あなた方に骨の折れることを、話し合いの中でお願いしていたにせよ、“我慢して黙々とやりなさい“とお願いしたにせよ、本会のためだったことをも神様はご存じです。また、私はあなた方を心から愛しているし、親みたいに愛していると、誠意をもって申しあげます!

 私たちは司祭叙階の銀祝を祝っていますが、それも一人の銀祝ではなく、本会の銀祝を祝いましょう。これは銀祝の序章であり、これに続いて、数年後には他の多くの銀祝が行われることでしょう。

 私たちは幾度も、いろいろな機会をとらえて、「聖師」と「聖母」に向かって「感謝いたします。常に、またどこにいても!」と唱えてきました。というのも、本会の司祭職はイエスとマリアのみ心に、いわば唯一の根源に端を発しているからです。ですから、この司祭職は、かみとまの栄光を最大限に表示しています。私たちの父となられた聖パウロに感謝します。

 お祝いの言葉を述べてくださった方々、贈り物おお祈りしてくださった方々、信頼してくださった方々にお礼を申し上げます。

 それでは皆さん、一緒に感謝の賛歌を歌ってこの日を締めくくり、いつまでも感謝の絶えない“永遠の日“の始まりにいたしましょう。


  • 池田敏雄『マスコミの使徒 福者ジャッカルド神父』1993年
  • 現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。

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