師イエズス修道女会との関係――福者ジャッカルド神父の生涯(51)

 アルベリオーネ神父が三番目に創立した修道会は「師イエズス修道女会」であるが、その創立構想は、すでに司祭になった次の年には立てられていた。創立者はこう書いている。「1908年に、私は三つの使徒職、つまり聖体・典礼・司祭職への奉仕のために、聖別奉献し、使徒としての観想生活に専念する一家族が生まれるようにと祈り始め、他の人にも指示しました。こうして、この家族の一つが恩恵の泉となり、そこから、使徒職生活に専念する他の修道会が恩恵をくみ取るでしょう」。

 1924年(大正13年)2月10日聖スコラスチカおとめの記念に、アルベリオーネ神父は、聖パウロ女子修道会のシスターの中から8人を選んで、一定の目的と特定の規律を割り当てた。すなわち、このグループの主な役割は、ご聖体の師イエスへの永久礼拝を通じての祈りである。このグループはヒエ・ディシェポレ(Pie Discepole = 敬虔な女性の弟子)と名づけられたが、この日が現在の「師イエズス修道女会」の創立記念日となった。そして同年の3月25日から、この8名は青色のマントを着て聖体礼拝を始めたのである。

 1936年(昭和11年)、アルベリオーネ神父がローマに居を移し、ティモテオ神父がアルバの院長になった時、アルベリオーネ神父は、この院長に師イエズス修道女会の指導を任せた。ティモテオ神父は、創立者の精神に従って、黙想指導をはじめ、要理・典礼などの授業、会憲作成、教区法による修道会昇格と聖座による修道会昇格のために力を尽くした。「師イエズス修道女会」の名誉総長であったシスター・マリア・ルチア・リッチは、ティモテオ神父の列福調査の際に、次のように証言している。

 1936年、ティモテオ神父様が長上の意向で私たちの世話をしてくださるようになったころは、師イエズス修道女会はまだ聖パウロ女子修道会の分院でしたので、アルベリオーネ神父は、私たちが自立して生活できるようになることを望んでおられました。私たちの会の目的が聖パウロ女子修道会の目的と違っていたからです。

(中略)

 ティモテオ神父様は、まず師イエズス修道女会の内状を調査しました。そして、如才なく賢明にこの共同体を観察してから、プリモ・マエストロ(創立者)へ適宜に説明し、進言しておられました。1936年から1946年にかけては、師イエズス修道女会にとって、紛争と無理解と障害の渦巻いた時代でした。ティモテオ神父様はいつも近くにおられて啓発し、導いてくださいました。1945年7月9日付の聖座宛の手紙で、師イエズス修道女会の自主独立取得の申請をいたしました。

 この申請に大して、修道者聖省は次のように返事してきました。「提出文書についても聖パウロ女子修道会のあらゆる状況についても綿密に検討した結果、本省は……申請への同意は、相応しくもないし、有益でもないと判断する」と。この返事の中には、いくつかの厳しい規定がありましてが、不便と苦痛を感じながらも、これを守っていました……。(中略)

 ティモテオ神父様は、生き生きとした賢明な言葉づかいで、信頼しなさいと励ましていました。「試練に押しつぶされないようにしなさい。師イエスは、あなた方に同情と共同贖罪を求めておられます。恐れることはありません! すべては神の中に消滅したのです。(本会は消滅したと見なされていましたし、会員たちは聖パウロ女子修道会に合併されていました)。新しく復活するために、すべては神の中に隠されたのです。こう言い返してみなさい、私たちは存在していますよ!」と。(中略)

 1947年3月25日、修道者省はアルバのグラッシ司教に使者を送って、レ・ピエ・ディシェポレ・デル・ディヴィン・マエストロ(聖師の敬虔な女性の弟子たち)のために、教会法に基づく修道会設立と教区長の承認に取りかかるよう指示しました。アンジェリコ神父様(教皇庁の視察使)がティモテオ神父様に(本会の)設立許可取得を知らせた時、ティモテオ神父様の喜びに顔を輝かせて、こうおっしゃいました。「やっと『今こそ逝かせてください』との賛歌を歌うことができます。神様は私の願いを聞き入れてくださいました。あとは天国を待つだけです。急いで準備しなければなりません」。

 1947年4月3日、聖木曜日に、アルバの大聖堂では、師イエズス修道女会が教会法に基づいて自主独立の修道会になったことを祝う儀式が行われました。創立者は出席できませんでしたので、ティモテオ神父様が次のように声高らかに読み上げました。「本日、ご受難の記念日に当たり、聖師は計り知れない無限の愛により、ご聖体の司祭職を制定されました。この司祭職制定の日に、聖師は同じ愛から、あなた方を法に基づいた、新しい、全権を備えた、固有の生活に導いてくださいました。その上、あなた方の身分に応じて、愛を尽くしながら、祈りや使徒職をもって司祭職に貢献するよう、あなた方を招いておられます」。


・池田敏雄『マスコミの使徒 福者ジャッカルド神父』1993年

※現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。

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