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星の導き 主の公現(マタイ2・1~12)

 今日のみことばで「彼らがかつて昇るのを見たあの星が、彼らの先に立って進み、幼子のいる場所まで来て止まった。彼らはその星を見て、非常に喜んだ」(マタ2・9~10)と記されています。東方の博士たちを導いていく星には不思議な魅力があります。

 1994年4月から半年間、ローマでイタリア語の勉強を開始した時のことです。7月下旬頃、暑さと勉強で疲れが出てしまいました。それを察した修道院の院長さんは8月上旬頃、「ケンジ、『山の家』へ行って、少し休養を取った方がいいよ」ということで、一人のブラザーに連れられてピエトラカメラ(標高約千メートル)という修道会の別荘地へ行くことになりました。そこはローマからアドリア海(東側)に向けて、車で約3時間の所にあり、テラモという町までは車で30分くらいの所です。そこに約二週間くらい滞在しましたが、親切なブラザーたちが毎日、散策に連れて行ってくれたり、夕食後にはワインを飲みながら、いろいろな話をしてくれました。8月15日の聖母の被昇天の祭日には、司祭が足りないということで、テラモの町でのミサに駆り出され、ついでに説教も頼まれました。イタリア語は不十分だったので、説教をイタリア人のブラザーにチェックしてもらい、教会で説教したのですが、二分もかからず、あまりの短さに信者たちはとても喜んでくれました。

 またある日、ドミニコ修道士がグランサッソという山に一泊で連れて行ってくれました。早朝の5時頃、山荘を出発し、歩き始めたら雷が鳴り始めました。とても怖くなり、近くのコンクリート製の小屋に避難したのですが、そこは馬の放牧場の避難所でもあり、乾燥した馬糞が風にあおられて舞い上がり、馬糞だらけ。まさに「フンガイ」というのでしょうか…。雷も収まって歩き始め、午後3時ごろには中腹の山小屋に到着。夕食を終え、周りが暗くなったころ、あちこちに星が見え始めました。暗くなればなるほど、それは鮮明になり、夜空を見ていると、やがて流れ星が現れたり、飛行機が通過したりと、とても心地よいものでした。星を眺めながら、かつて東方の博士たちも星で疲れを癒やしたのかなあとも思いました。

 冬の夜空は他の季節に比べ、空気が澄み、鮮明に見える時です。夜空を見て、旅する博士たちの思いに浸るのもよいのかもしれません。


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